弊社の実践している試みを、少しづつ記載していきます…(以下、佐山著)
まずは一般論から。
法人カード市場開拓の可能性
経費精算システムを導入する企業は多くあるが、従業員による現金立替、入力の手間や入力ミス・改ざん、経理担当による入力内容チェック等の業務負荷が依然として課題となっている。昨今のクラウド経費精算システムは、従業員の経費利用を法人クレジットカードに集約し、そのデータを経費精算システムへ連携することで課題を解決できるとしているが、日本では中小企業小規模事業者には与信審査の結果で法人クレジットカードが発行できなかったり、全従業員の所持に対して抵抗感のある企業が多いのが実情。個人向けクレジットカード発行枚数が 2.7億枚をこえる状況でも、法人クレジットカード発行枚数は 0.1億枚にすぎず(日本クレジット協会より)、また経費精算システムとの連動はまだまだ少ない。弊社の顧客では 3割未満。
ブランドデビットカードの中小企業における利点
クレジットカードの代わりとしてデビットカードが利用できる。でも日本の売上はクレジットカードの 2 %ほどしかない。米国や韓国ではクレジットカードの売上に匹敵する。
ところで法人口座があれば与信審査を必要としない法人デビットカードの発行は中小企業小規模事業者にも可能。でも法人口座から即時に引き落としされるため、役員などにしか発行しないのが通常だし、銀行も 1 企業 10 枚程度しか発行しない。
でも利用方法や金額をコントロールできれば、全従業員に発行することにも道が広がる。普及次第でデビットカードの大幅な利用増加が試算されている。
経費精算システムとの連携による自動化とキャッシュレス推進
交通費支払をデータ連動がすぐれたモバイル交通系 IC カードへの変更を促すことによって、従業員の手を煩わせない経費精算入力の全自動化を目指すことが可能となる。同時にその他の電子マネー利用時のデータ連動することで、令和 2 年 10 月 1 日からの電子帳簿保存法などの改正により領収書保管不要を目指せる。これまで中小企業小規模事業者の中でキャッシュレス化や自動化・効率化が立ち遅れていた従業員経費精算の分野が急速に進みはじめており、既に一部銀行でブランドデビッドカードと会計システムの連携を提案し始めている。
デビットカードを利用した弊社の試み
以下を現在、実践している。
・全従業員(パートを含む)にデビットカードを配布し、一人一人に予算を与えて、その予算額を上限として設定
・従業員の立替を廃止し、全ての経費支払いをデビットカードに統一
・Mobile SUICA を交通費支払に利用し、チャージ元をデビットカードにする
・デビットカードと Mobile SUICA の詳細データを会計・経費精算システムへ連携する
もちろん、現金しか使えない場合は別ですが。
現在、ほぼ全自動で経費精算が行われる。また、予算額内の利用は申請を不要としました。従業員に予算内利用の権限を付与しました。